たとえ子育てを間違えたとしても「悪い子」にはならない!
「自分の子育てのやり方は、合っているのだろうか?」
「将来、問題児になったらどうしよう?」
「育て方を間違って、悪い子に育ってしまったのでは?」
子育てをしていると、誰でもこんな風に悩んでしまうことがあります。
同じように保育者にも「自分の保育は、子ども達に悪い影響を与えてはいないだろうか?」と不安になる場面が、たくさんあるものです。
また、他の子どもを見て、「どんな育て方をしたら、あんなに悪い子になっちゃうんだろう!」と感じることも、あるかも知れません。
でも、ここで声を大きくして、言いたいと思います。
たとえ、子育てを間違えたとしても「悪い子」になんかなりません。
そもそも「悪い子」なんていません。
●みんな「いい子の面」をもっている
みんな、いい子。
みんな、いい子になれる。
今、問題を起こしている子でも、
今、噛みついたり、物を壊したり、叫びまくったりしている子でも、
ずいぶん前に始まった反抗期が、まだずーっと続いているかのような子でも、
み〜んな、絶対に「いい子の面」をちゃんともっているのです。
ここでいう「いい子」というのは、
いわゆるお行儀のいい、成績のいい子のことではありません。
自分のことが好きで、周りのことも好きで、
自分の力を発揮できて、
自分のことも、周りのことも大事に思える、
心に元気がたまった状態の、
そんな「いい子」のことですが、
誰でも、そんないい子の面をもっています。
そもそも、誰でも、いい面と悪い面をもっています。
そして、今悪い態度をとっている子は、現時点では悪い面を多く出しているだけなんだ、と考えたいのです。
●悪い面を使って、がんばってしまっているだけ
いい面も持っているのに、悪い面を使って問題を解決しようとしているその子は、
ギャーギャー言って解決させる方法を試しています。
ウソをつけば、
人を叩けば、
ルールを破れば、
反抗すれば、
欲しいものが手に入るんだ、
抱えている問題が解決するのではないかと信じて、がんばっています。
でもおそらく、がんばっても、がんばっても空回りをし…、
周りから怒られたり、呆れられたり、嫌われたりして、ますます「悪い子の面」で生きていかざるを得ない状況になっていることでしょう。
うーん、
この負のスパイラルは、一体、どうやって作られてしまうのでしょう?
その仕組みはまた、じっくり学んでいきますが、
今日まず、しっかり心に焼き付けておきたいのは、
子育てで「こんな悪い子になってしまったのはなぜ?」と悩む場面があったとしても、その子が悪い子になってしまったのではなくて、その子が今、信じている問題解決の方法が悪いのだ、ということです。
●大切なのは「自分のいい面の使い方」を見つけること
大切なのは、これからその子が いい面を使った解決策 を見つけていくことです。子育てがうまくいっていない時には、「この子がいい面を使って生きていく日がなんて、本当に来るのかしら…?」と思えるかも知れません。でも、大丈夫です。
4歳にしてチンピラみたいな態度だったKくんも、
ダメだと言われることしかしなかった5歳のTくんも、
ちょっとのことでカッとなって噛みついていた4歳のSちゃんも、
みんなちゃんと、自分のいい面を上手に使えるようになり、お友達が増え、人に優しくなり、笑顔までかわいいキラキラした子になりました!
だから安心して下さい。たとえ今、子育てでどんなに悩む事があったとしても、大事なのはこれからです。「自分の人生を自分で楽しくする力」を育てていく、いい機会です。だから、この子はこれから変われると信じて、まずは、私達が率先してその子のいい面を見つけていくことから始めましょう!
そして…、
今後、街のどこかで「なんじゃ、あの悪い態度は!」と思う子どもに出会ったら、一度「この子のいい面って何なのかな?」という目で見てみて下さい。例えば、ガンコにギャーギャー言っている子は、おそらく、意志貫徹のできる、がんばり屋さん…ではないかな?そのいい面を使って、どんな風に自分を変えられるかな?