子育てで最も大切な概念【リスペクト】の本当の意味
「子育て/育児/保育で一番大切な概念は?」と聞かれたら…?
私は迷わず、Respect(リスペクト)の概念と答えます。
このリスペクトの概念、どのくらい大事なのかと言うと、
リスペクトの概念なしでは、話を進められない!いや、それどころか、
リスペクトの概念を本気で理解できた時に、子育ての問題が半分解決する人もいるよ!というくらい、大切です。
アドラー心理学でも、Respect はとても大切にされている概念で、日本のアドラー心理学では「尊敬する」という言葉で使われていると思います。
「リスペクト」の意味は「尊敬する」だけではない
リスペクトと聞くとまず「尊敬する」というイメージがあると思います。学校でもそう習いました。また、「オレはあいつにリスペクトだぜ」的に、スゴイなぁという意味で使うこともあるでしょう。下から上に崇める感じ。うやまう感じ。敬礼(けいれい)しちゃいたい感じ…。
しかし!
実は、英語の Respect には、もっとたくさんの意味があります。決して「下から上」ではなく、敬礼(けいれい)なんて必要ない、とてもステキな意味がたくさん詰まった 愛にあふれる概念なのです!
さぁ、
これから、3回にわたってRespect(リスペクト)の本当の意味や、この概念を子育てでどう使うかについて、じっくり説明していき、リスペクトの概念を、あなたの心の中に染み込ませていきたいと思います。
少し固い話になってしまいますが…できる限りわかりやすいように書いていこうと思います。ぜひ第3回まで読んで下さいね!
第1回 リスペクトの本当の意味
Respect ということばには、日本語でこんなにたくさんの意味が含まれています。
理解を深めるため、ひとつひとつ例文を作ってみましょう。
- お年寄りから赤ちゃんまで全て同じ命としてリスペクトする(価値を認める)
- アインシュタインをリスペクトして止まない(尊敬する)
- 参加者が踊りたい気持ちをリスペクトしよう(重視する)
- 細部までリスペクトして確認してね(配慮する)
- 公共物をリスペクトしよう(丁寧に扱う)
- わんこの思いもちゃんとリスペクトしよう(重んずる)
- 彼女の功績にリスペクトの気持ちでいっぱい(敬う)
- 他の人の気持ちをリスペクトしよう(大事にする)
- 自然環境をリスペクトした商品にしよう(気にかける)
- お互いをリスペクトし合う気持ちが大切だ(想う)
思いつくままたくさん挙げましたが、大体意味がつかめたでしょうか?
意味が重複しているものもあります。細かいことは気にせずに「こんな意味もあるんだな〜」ということを実感していただけたら大丈夫です。
つまり、下から上に見上げる感じだけではなく、スゴイことを表すだけではなく、
どちらかと言うと、もっと穏やかな関心や、愛をもって接する感覚の意味がたくさん含まれていることがわかると思います。
では、この愛にあふれるリスペクトという概念の、子育ての場での使い方はどうなるのでしょうか。
子育ての場では「大事にする」という意味での方が強い
冒頭で「子育て/育児/保育で一番大切な概念は?」と聞かれたら、迷わず、Respect(リスペクト)の概念と答えるとお伝えしました。
子育ての場では、何をどうリスペクトするべきなのでしょうか?
子育ての場でリスペクトしたいことは、次のようなことです。
- 子どもの命の尊厳
- 子どもが子どもらしくいられること
- 子どもの個性やそれぞれの考え方
- 子どもが失敗から学ぶ過程
- 子どものプライバシー
- 子ども育ち
今後このブログや、『なかよし子育て心理学講座』の中で何度ともなく出てくる
とても大切な概念になります。もう一度ここにまとめてみましょう!
子どもの命の尊厳をリスペクトしよう
ーお年寄りから生まれたての赤ちゃんまで、命の重さは同じだよー
子どもが子どもらしくいられることをリスペクトしよう
ー子どもは遊びがお仕事。遊びながら学べる環境が必要だよー
子どもの個性やそれぞれの考えをリスペクトしよう
ー子が親と違う意見を持つこともあるし、一人ひとり違っていいんだよー
子どもが失敗から学ぶ過程をリスペクトしよう
ー子ども時代は失敗するのが当たり前。そこからどう学べるかだよー
子どものプライバシーをリスペクトしよう
ー子どもだって一人になりたい時や、ヒミツをもちたい時があるよー
子ども時代の育ちをリスペクトしよう
ー子どもはそれぞれのスピードでちゃんと育っていくべき存在だよー
いかがでしょう?
リスペクトという言葉の概念が、決して「下から上」ではなく「スゴイこと」ではなく、穏やかな関心や、愛をもって接する感覚に変わってきたでしょうか?
第2回「子どもをリスペクトした子育てとは?」こちらの記事に続きます。