【言葉がけ⑵】子どもに注意をしたい時
小さな子どもを育てていると、
注意したり、禁止したりしなくてはいけないことが、たくさん出てきます。ふと気づけば、朝から晩まで「ダメだよ、ダメだよ」と言っていた、なんてこともしばしば…。
【言葉がけシリーズ】第1弾にあったように、7歳までの言葉がけはても大切で、その子の一生を左右するほどの影響力をもっています。
では、子どもに注意事項を伝えたい時は、一体どんな風に言うのがいいのでしょうか?
「そんな、あわただしい子どもとの生活の中で、その場で目に見えない先の影響まで考えるなんて無理!」と感じる方も、いるかも知れません。
確かに、「今日は子どもに、ダメって言うのはやめよう!」と決心した瞬間に、ハサミを持って走ったり、スリッパをなめようとしたりするのを発見する…、それが子育ての現実。その場で子どもがピタッと静止するような呪文があるのならば、その後の影響はどうであれ、使いたくなるような毎日です。
けれども、人生の基盤作りの時である7歳までの子育ての先に、
こんな分かれ道が待っているとしたら…?
- 自分の力で危険を察知したり、自分の行動を制したりできる子に育つか
- 「ダメだと言われれば言われるほど、試したい!」と反抗することを目的に動く子に育つか
もちろん、1.のように「今注意しているような事柄をちゃんと自分の力で守っていける子」に育って欲しいものです。
今回は、【子どもにいい影響のある言葉がけシリーズ】第2弾として「子どもへの注意の仕方」のコツをお伝えします。
今回お伝えするコツはたったの2つです。 その理由もつけてご紹介しますので、ぜひ試して下さいね。
子どもへの注意の仕方 2つのコツとその理由
ひとつめのコツは、《なって欲しい姿を伝える》です。
子どもへの注意の仕方のコツ⑴ なって欲しい姿を伝える
例えば「走らないで!」と言いたい時、
本来は、子どもが「スピードダウンする」のを願っています。
そのまま走っていたら危険が待っている!人の迷惑になる!だから、スピードを落として欲しい!
そんな思いを伝える時には、「歩こうね」「ゆっくりね」などと、なって欲しい姿を表現して伝えていきましょう。
なって欲しい姿を伝えるのがいい、その理由
- 言葉のもつイメージには想像以上の力があるからです。子どもにとって「走る」と言うのは、風を切ってピューンと気持ちよくスピードを出す、楽しくて元気なイメージの言葉です。大人が「走らないで!」と言っても、子どものイメージの中にはその「元気なスピード感」が浮かぶので混乱し、行動につながりにくくなります。
- 子どもには言葉の本来もつ意味を正しく伝えたいからです。静止して欲しい時に「走らないで!」という言葉を何度も使うと、もしかしたら「走る」という言葉を「がまんしてゆっくりすること」と言うイメージに感じる子もいるかも知れません。子どもには「走るのは楽しいな!うれしいな!」と思って育って欲しいですよね!
ふたつめのコツは、《代わりを提案》です。
子どもへの注意の仕方のコツ⑵ 代わりを提案する
例えば、「触らないで!」と言いたい時、
本来、子どもが何かを触りたい時というのは、好奇心をキラキラさせている大切な瞬間、できれば止めたくないものです。
それでも止めねばならない理由がある場合、何をどこまで触ってはダメなのか、どんなふうに触ってはダメなのかを考え、「ここなら触っていいよ」「これは見るだけね」などと、代わりにしてもいいことを具体的に提案していきましょう。
代わりを提案するのがいい、その理由
- 禁止の言葉は、本当に必要な時までとっておかねばならないからです。普段の生活で、あれもダメ、これもダメと言われ続けていたら、何をダメと言われても、右の耳から左の耳へスルーしてしまうようになります。それはとっても危険なことなのです!子どもがボールを追いかけて車道に走っている時「そっちは行っちゃダメ!」という言葉をスルーしてしまう子には、育てたくはないのです。
その子が「人がダメと言うことは、本当に良くないことだろうからやめておこう」と思える信頼感を築くことは、その子の命を守ることにもつながります。
- なるべく禁止の言葉をかけずに育てたいからです。子どもには、好奇心をキラキラさせて、積極的に周りの環境とかかわる力のある人に育って欲しい!そう願うならば、自分が興味を持ったことにどんどん挑戦していいんだよ!というメッセージを込め、注意や禁止の言葉でその子の行動を止める代わりに、その子が今の成長の段階で「してもいいこと」をどんどん提示していきたいのです。
ふたつのコツを使って応用してみよう!
さぁ、この二つのコツ《なって欲しい姿を伝える》と《代わりを提案》を使って、次の言葉を言い換える練習をしてみましょう。
- うるさい!
- 遠くに行っちゃダメよ!
- そんなことしてたら風邪ひくよ!
- ご飯を残しちゃダメ!
- ダラダラしていたら、遅刻するよ!
どんな風に言い換えることができるでしょうか?
次に挙げるのは、ほんの一例です。
- うるさい!→ 小さな声でね。あっちならしゃべってていいよ。
- 遠くに行っちゃダメよ!→ あの木のところで止まってね。
- そんなことしてたら風邪ひくよ!→手が冷たい時はもう一枚着ようね。
- ご飯を残しちゃダメ!→これだけは食べ切ろうね。
- ダラダラしていたら遅刻するよ!→ささっとすませて間に合わせよう。
他にも、いろいろな言い方があると思います。他にポイントとして、
- 子どもにどうしてダメなのか、理由を説明するということ
- 子どもが自分で気づけるように、問いかけること
も大切なので、それらを合わせてあなたらしい言葉がけをつくってみて下さいね。
今、子ども達に注意しているあれこれは、子どもが将来、健康で安全な生活を過ごせるような知識と判断力を育てるため。全ては子どもが自分の人生を自分で楽しくする力をつけるためという子育てのゴールにつながっています。このふたつのコツをゲーム感覚で取り入れて、子どもの力を引き出せるような注意の仕方を続けてみて下さいね。
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