【言葉がけ⑶】子どもが失敗した時
子ども時代は、本当にたくさんの失敗をしますよね。
何かをこぼしたり、壊したり。
大事なものを忘れたり、無くしたり。
時には、誰かを傷つけてしまったり、自分が傷ついたり…。
【子どもにいい影響を与える言葉がけシリーズ】3回目は、
子どもが失敗をした時の言葉がけについて、考えてみましょう。
これまでの【言葉がけシリーズ】を読んでいない方へ
【言葉がけシリーズ⑴】一日一回は必ずして欲しい「恋人トーク」の方法
子どもの失敗は「成長」の元
子ども時代の失敗は、どんな失敗でも必ずそこから何かを学ぶことができます。
子どもが失敗をする原因は、
- 手指の動きが未熟だった
- 体の動きを思い通りにコントロールできなかった
- 先の見通しが甘かった
- 勘違いをしていた
- 大丈夫だと思ったことが大丈夫じゃなかった
- 覚えていたつもりでも忘れていた
- あまり深く考えずに行動した、など…
こんな風に、未熟さや経験不足からくることがほとんどです。
だから、その失敗を通して何が足りなかったのかを知り、
次に同じ状況になったたらこうしよう!と考えることができる、
とてもいい学びのチャンスなのです。
失敗すればするほど、その経験値は上がります。
大きな失敗は、大きな学びを与えてくれます。
もちろん、失敗というのは決して気持ちのいいものではありません。
でも、子ども達には、
今そういう失敗して、よかったね!
この失敗から、いろんなことがわかって、よかったね!
と、その後の人生にプラスになるつなげ方ができるように、導きたいのです。
では、失敗から学び、その学びをその子の心にしっかり届けるためには、どんな言葉がけをするのがよいのでしょう?
子どもの失敗を成長に導く言葉がけとは
失敗したとわかったその瞬間の、周りの大人の反応がとても大切になってきます。
子どもが失敗から学ぶためには、その子本人が、
- 状況を冷静に判断し、
- 何が足りなかったのかを考え、
- 「次はこうしよう」と希望をもてること
が、大切になってきます。ですから、周りの大人は、大きな声で叫んだり、叱ったり、取り乱したりせず、まずは「失敗は誰にでもある!ここからどう導くが肝心だ。」と気持ちを落ち着け、次のステップ1.2.3.4を実行してみましょう。
子どもの失敗を成長に変えるステップ1.2.3.4
⒈ 安全確認、状況把握
子どもが失敗したその瞬間は、まずは何も言わずにとにかく安全確認。
周囲の状況を把握してみましょう。
- ケガはないかな?
- 壊れたものが飛び散ってはいないかな?
- 他に傷ついたり、被害を被ったりした人はいないかな?
もし危険な状態になっていたら、
子どもを安全な場所まで移動させた上で、どんな風に危険な状態になっているのかを、子どもと一緒に把握します。
大切なものをどこかに置き忘れた、約束の場所にいくのを忘れた、などの場合には、連絡するべきところにして、状況を確認します。
⒉ 気持ちのケア
安全が確認できたら、次はその子や周りの子の気持ちを確認です。
- びっくりしているかな?
- 怖がっているかな?
- 嫌な思いをしている子はいないかな?
そして、ここで初めて、声をかけるタイミングがきます。
ショックを受けている子には「大丈夫?」
どうしたらいいのかわからない子には「どうすればいいと思う?」
拭いたり片付けたりしようとしている子には「手伝おうか?」
ここで大切なのは、
子どもはこの時点から既に、失敗したという事実から学びを得ようとしているということです。
周りの大人が「ほーら、だから言ったじゃないの!」とたしなめなくても、ちゃんと状況から学んでいこうとしています。本人の力を信じて、それを見届けられるかどうか、大切な時です。
⒊ できることを探して行動にうつす
気持ちのケアを続けつつ、次はその場の状況を一緒に把握して、どうしたら失敗する前の状態に戻せるのかを、一緒に考えます。
- 汚れたものは、掃除する。
- 壊れてしまったものは、できる限り一緒に直す。
- 連絡すべきところがあれば、連絡する。
- 傷ついたり困ったりしている人がいたら、声をかけできることをする
壊れてしまったもので、どう見ても直せないものもあります。
それでも、できる限り元に戻そうとすることも大切です。直しながら、物や人を大切にする心や、自分の行動への責任の取り方などを学んでいくでしょう。そして、がんばっても直せないとわかった時、「無理だったね…」ともう一度落ち込みながら、またそこにも学びがあります。
もし、「壊れちゃったね、泣かなくてもいいよ、また新しいの買おう、ポイッ」としたら、こういう学びを得ることはできません。
⒋ 次に同じことが起きたら、どうすればいいのか
落ち着いた頃を見計らって「次に同じような状況になった時、どうする?」という会話をしてみましょう。
- これをやりたい時には、大人に言う
- 今度この道具を使う時には、ここに気をつける
- こぼれやすいものは、ここに置く
- 忘れやすいことは、メモに書く
- 困った時には、まず大人に聞く
- 大事なものは、こういう風に扱う、など…
1、2、3でしっかり学べた場合、きっと立派に自分なりの答えを見つけていることでしょう。
ここまでくるのに、涙あり、ドラマありで、簡単ではない時もあります。
でも、ここで立派に自分の考えを答えられた時、「失敗は成長の素なんだ」としみじみ実感できることでしょう。
そして、この経験の繰り返しが、
失敗を恐れず、何にでも挑戦する、前向きな生き様となって、その子の人生を大きく成長させてくれることでしょう。
さぁ、次に子どもが何かの失敗をした時にはぜひ「成長のチャーンス!」と喜んで下さい!
そして、【子どもの失敗を成長に変えるステップ1.2.3.4】で、大きく成長できるよう、導いていきましょう。
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