7歳までの子育て

子育て心理学研修講師による、読むだけで「心理学を使った子育て」が誰にでもできるようになる!心の元気な子どもを育てるブログです。

【この子の心理を探る実験】この子が描く自分のイメージとは?

この子の心の中を、ちょっとのぞいてみるために…

こんな実験をしてみたことは、ありますか?

この子が、遊んでいたり、おやつを食べていたり、ただぼーっとしているような、日常生活のありふれた「ふとした時」をねらって、いたってふつうの声のトーンで、その子の名前を一回だけ呼んでみます。

さぁ、果たしてこの子は、どんな反応をするのでしょうか?

  • 「何?何?」と、していたことを止めて、飛んで来るのかな?
  • 「はーい!」と、うれしそうに返事をするのかな?
  • 「え?ボクになんか用?」と、驚いた反応をするのかな?
  • (げっ、今度はなんだ?)ってビクッとするのかな?
  • 「なんだよもぉ〜」と、不機嫌になるのかな?
  • それとも、一回呼んだだけじゃ、振り向きもしないかな?

 

この子の脳内には、自分の分身がいる?

子ども達は、毎日の生活の中で少しずつ、

「この人ってこんな人」というイメージを固めていきます。

それぞれの頭の中に「うちのお母さんはこんな人」「お父さんはこんな人」「この先生はこんな人」という私達の分身ができていくのです。

 

その子の脳内に存在する自分の分身が、自分が願うイメージ通りになっているかどうかは、残念ながらわかりません。「私はこんな感じの親だ」と信じていることと、子どもが描いている分身のイメージは、違うかも知れないのです。

 

なぜならば、その自分の分身は、その子が自分のことを

「どう見ていて、どう感じているか」によって、作られているからです。

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私には、こう見えているの!

うーん、気になります。

この子がどんな風に自分の分身を形成しているのか、とても気になりますよね。

 

冒頭のこのふとした時に名前を呼んでみる実験では、この子が描き始めている自分の分身のイメージを、少しだけ知ることができます。

 

  • 「何?何?」と、していたことを止めて、飛んで来たこの子はきっと、「この人が呼ぶ時にはいつもいいことがある!今度は何だろう?ワクワクするなぁ!」と感じているでしょう。

 

  • 「はーい!」と、うれしそうに返事をしたこの子も、きっと自分に対してポジティブなイメージを描いていることでしょう。

 

  • 名前を呼ばれて「ビクッ」としたあの子は、「この人に名前を呼ばれる時には、ろくなことはない!」とネガティブな思いを抱いているかも知れません。(背景にあるネガティブな経験が、別の場所で起きているということもあります。)

 

  • 「なんだよもぉ〜」と、呼ばれただけで不機嫌になる子は、名前を呼んだ人に対して、または、全ての人に対してのリスペクトの気持ちを失いつつあるのかも知れません。「誰かが呼んで来る時は、大体ムカつくことが多い!」と怒っているかも知れません。

 

  • 一回呼んだだけじゃ、振り向きもしないあの子は、「〇〇くん、早く食べて。〇〇くん、もっと食べて!」「〇〇ちゃん、〇〇ちゃん!手洗ったの?」と常に呼ばれ続けていて、自分の声が左の耳から右の耳へ流れているかも知れません。もちろん、単にその時何かに集中していて、聞こえなかったということもあります。

 

脳内の分身の役割はこんなに大きい?

 

「この子の脳内にある自分の分身のイメージなんて、本当の私ではないのだから、別にどうでもいいのでは?」と思うかも知れません。

確かに、この分身はその子が勝手に作り上げていくもの。本当の私ではありません。

 

けれども、この脳内の分身の役割は、私達が思う以上に大きいものです。

 

私達にも経験があると思います。

頭の中にぼんやりと浮かぶ、自分の母親の像。父親像。あの先生の姿。

そして、その分身達は、いつでもメッセージを発していると思います。

 

例えば、

何か大きな買い物をしようと思っている時に、

「母ちゃんなら絶対、そんな無駄遣いやめなさいって言うだろうな」と感じる…。

何かの失敗をして落ち込んだ時に、

「お父さんなら、そんな気にするな、前に進め!って言うだろうな」と感じる…。

 

実際に、本人に意見を聞いてみたら、違う言葉が出てくるのかも知れません。

けれども、常に私達の頭の中では「あの人だったらこう言うだろうな」と、分身がメッセージを発しているわけです。

この歳になっても!

 

そのくらいに、この分身の役目は、とても大きいのです。

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分身がメッセージを送り続けている

この脳内の分身のイメージは、

子ども達が7歳になる頃までにだいたい固まってくると思われます。

もちろん、個人差もあるので6歳から9歳くらいを目安に。

その後も、イメージが変わらないわけではないと言うことを心にとめつつ、

だいたい7歳までにもったイメージをそのまま持ち続けていくと考えていきましょう。

 

さぁ、そうなると、大切なのは今です。

今日やってみた、このふとした時に名前を呼んでみる実験で、何かの気づきがあったでしょうか?

 

「そういえば最近、この子の名前を呼ぶ時には、指示命令ばっかりだったかな。」

「そういえば最近、この子のワクワクする顔を、見ていないなぁ」

 

もし、そんな風に気づくことがあったとしたら、

この子の自分の分身のイメージが確定する前に、軌道修正!

 

今からでもできることがたくさんあります。

詳しくはこちらの記事を、ぜひご覧下さい。あなたの分身が発するメッセージがいい影響を与えるよう、こんなやり方がありますよ。安心して、一緒に学んでいきましょう!